日本キリスト改革派
Reformed church in Japan
吉原富士見伝道所
キリストへの時間9月4日放送された吉田先生のメッセージ
2022年9月4日 出エジプト20:8-11「安らかに息する日」
皆さまこんにちは。吉田崇と申します。静岡県富士市にある吉原富士見教会で牧師をし ております。皆さんにとって日曜日とはどのような日でしょうか。日曜日は1週間に一度 の休みの日ということになっているのですが、本当に休んでおられるでしょうか。会社務 めの方は仕事が溜まっているからと仕事に費やし、学生は部活や塾に通い、と日曜日も動 き回っておられるかもしれません。日曜日に何もしないで休むのはもったいない、何かし た方がいいではないか、と思ってそうなさるのはないでしょうか。
日本において1週間に一度休む日曜日は実は江戸時代までは存在しなかったと言われま す。江戸時代に休みの日と言えば1年の中で夏のお盆休みと年末年始の休みだけだったそ うです。何もしないで休む日などない方がよい、という意識が昔から日本では支配的だっ たかもしれません。明治時代に様々な制度をヨーロッパから取り入れる際に、7日に一度の 日曜休みも入ってきました。けれども、日曜日をしっかり休みの日とする意識は今に至る まで十分には日本に広まっていないように思います。では人間は休みもとらず働き続けた方がよいのでしょうか。ここ最近、世界の先進国と言われる国々と比較して、日本の労働は生産性が低いということがよく報道されています。労働によって生み出した商品やサービスの金額を労働時間で割って計算することで生産性を計るのですが、休みを削って長々と働く日本より、日曜日など休みをしっかりとる国々の方が多く生産できているというのです。夜遅くまで長々と仕事や勉強をしたとしても、頭が疲れているので思ったほど進まない、ミスも出やすくなり、そのミスを直すのに時間を費やしてしまう、という具合に満足な結果をなかなか得られないのではないでしょうか。人間はいつまでも働き続けるようにはできていないのです。働くときは働き、休む時はしっかり休むことが人間のあるべき姿なのです。本日の聖書箇所は、エジプトの地で休みも与えられずに奴隷としてこきつかわれたイスラエルの人々を神様が救い出して後、これからは7日に一度「安息日」をとって休みなさい、とおっしゃる箇所です。興味深いのは、休みの理由付けとして、神様もこの世界を6日で創造なさった後、七日目に休まれたからとあることです。神様だって休まれるんだから人間もしっかり休みをとりましょう、と勧めているのです。仕事で動き回ってハアハアと息が乱れる状態を続けるのはよくない、しっかり休んで安らかに息する日を1週間に一度持ちましょうと神様はお求めになるのです。 この息を安らかにするため休む必要は人の体だけにとどまりません。人の魂の呼吸も安 らかにする必要があります。様々な心配や恐れにとらわれて心、魂の呼吸が乱れていては、体は休もうとしてもしっかりとした休みになりません。ですから日曜日には体を休めるにとどまらず、魂の安息をも確保することが大切です。そのために神様は安息日、日曜日に神様を礼拝することをも定めてくださったのです。日曜日の礼拝で魂の呼吸を整え、体を休めて体の呼吸を整える、そうあってこそ人は人として生き続けることができます。